ゲームプランナーが教える!誰でも作れる企画【ゲーム性ベースで作る】

今回は企画しての立て方シリーズ第3弾。

ゲーム性ベースで企画をたてるアプローチに関してご紹介したいと思います。まず、ゲーム性とは何かから説明が必要になると思います。これから説明していきたいゲーム性に関しては、端的に言うと以下のようなイメージです。

ゲーム性がある = ジレンマがある = リスク&リターンを伴う行動をどこに置くか。

というような感じです。

リスク&リターンをどこに置くかという部分にゲーム性の中核があります。こちら簡単にいうと、自分が有利な行動を取ろうとすると、その行動が自分にとって不利な状況に陥る可能性がある。という状況を作り出すことに当たります。

具体的な例をあげて説明していきますと、

かの有名なマリオブラザーズでいうと。

説明不要かと思いますが、マリオの概要としては、ピーチ姫を助けるべく様々なステージをクリアして、最後にクッパを倒すというようなアクションゲームの金字塔と言えるゲームです。

このゲームにおいて、ユーザーがステージをクリアしようとプレイを始めると、すぐにクリボーという敵キャラが現れます。

マリオブラザーズの場合、敵キャラにマリオが接触するとゲームオーバーになります。

ただ、仕様としてクリボーの真上からマリオのジャンプで踏むことで、クリボーを倒すことができます。

つまり、プレイヤーはクリボーを倒しに行こうとする場合、

接触してゲームオーバーになるリスクと、クリボーを倒すことが出来るリターンを、

ジャンプというアクションを通じてプレイヤーは常に選択に迫られステージを進めることになります。

 補足的にコメントをすると、ゲーム開発者は、このジレンマの塩梅を絶妙に調整する必要があります。

つまり、リスク&リターンの割合ですね。

この行動はどの程度のリスクがある行動として作るか、リターン多めで作るかということです。いわゆる難易度といわれるものに近いですが、ここの塩梅や納得感、わかりやすさをトータルで調整して、最適な形で製品として仕上げていくのが、企画者としてのメインの仕事とも言えます。

 話は戻って、ここに説明させてもらった通り、

プレイヤーにとって自分が有利な状況に持っていくための行動が、リスクを伴う状況をいかに作るかが、面白さ・ゲーム性があるないの分岐を作る要素と言えるのです。

リスクを取りながらハラハラした緊張状態の中で、その行動がうまく行ったときに人は「よし!」と思うものなのです。

 さらに例をゲーム以外のものにおいても同様に同じことが言えます。

例えば野球。

野球のバッターとピッチャーの関係性に関して説明すると。

バッター目線では、ピッチャーが投げるボールを打ちたいです。しかし、バッターへの条件として3ストライクで1アウトで打者交代になります。

その中で、バッターはバットを振るという行動は、空振りしてストライクになってしまうリスクを抱えながら、ヒットというリターンを得ようと打席に立つわけです。

一方、ピッチャーは、バッターを打ち取るためにボールを投げる行動で、ヒットを打たれるリスクを抱えながら、空振りさせたり、見送らせてストライクというリターンを取りにマウンドに立つというわけです。

そこに、より大きく狙ってやろうと、強振したり、球速の速い球を投げようとして、ハイリスク・ハイリターンを得ようとする訳です。そのジレンマの中に、変化球や相手との心理戦をすることでさらにゲーム性は深まっていき、スポーツなどでは特に、見ている人もその戦略をみて楽しむものです。

 このように、ゲーム性のあるスポーツは他にもサッカー、ボクシング、バスケット、ラグビー、柔道、剣道などなど、主に対戦する競技においては似たようなジレンマを含むようなルールに自然と洗練されていっています。ゲーム開発者にとって、ゲーム以外のコンテンツをよく分析して、それをゲームに取り入れたりすることもこのゲーム性から企画を考えることのヒントとなります。実際に近年でもヒットしてるゲームの中にスポーツのロジックを再現しつつゲーム的に仕上げている物がいくつかあると思いますので、是非探して見てください。

 これらのことを理解した状態で、企画をどうやって立てていくかということなんですが、

実はこの手のゲーム性を作るためのロジックは現在でも数えられるほどのパターンしかなく

それの見せ方を変えたり、組み合わせたり、世界観を載せたりして新しく見せているだけなのです。この代表的なパターンはおいおい紹介できればと思っています。そちらの記事の際に興味がありましたら読んでいただければ幸いです。

 なので、ゲーム性から企画を新しく構築する場合は、このゲーム性とあっちのゲーム性を組み合わせると、今までにないジレンマが作れて新しいゲームになる!

と行ったアプローチになります。もしくは、全く新しいジレンマ構造を発明することが、それ自体が企画の骨子になると言えます。

新しいジレンマ構造を作ること自体はかなりの発明ですのでかなり難易度高いですが、ボードゲーム・スポーツからゲームに落とし込むようなアプローチで考えていくことも、それをビデオゲーム内に落とし込む作業だけでも、成功するかどうかはかなりの検証が必要です。

個人的には、全く新しいジレンマ構造を作っていきたいと思いながら、日々開発しているような現状でございます。

 また、過去に紹介したコンセプトベース・世界観ベースと組み合わせて、自分はこういった体験をしてもらいたいんだというコンセプトを実現するのに最適なゲーム性とは何かを選んで組み合わせたり、世界観ベースのそのキャラや世界にあったゲーム性とは何かを組合わせて考えることで、よりクオリティの高い製品に仕上がっていくと思います。

このように考えていくと、企画をゼロ状態から作るよりもはるかに考え方もスッキリするかなと思います。是非是非、考えていくなにかの助けになれば幸いです。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です